ホツマツタヱ2、ワのヒマキ(地の巻)28



 (最新見直し2009.3.7日)

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【ホツマツタヱ2、ワのヒマキ(地の巻)28、君臣遺し法の文】
きみとみのこしのりあや     君 臣 遺し法の文
ゐそすすの はたとし    五十鈴の      千枝の二十年
あめかわる こよみまたとて     代わる      「 未だ」とて
 ものぬしか いせもふてて    モノヌシが     イセに詣でて
これとふ ふたゑこれより    これを問ふ     フタヱ「これより
うかかはて こふとのうく    伺はて」      「代殿に承く
よろこひと ともいたれる    喜び」と      共に至れる
おうちみや かすかあいて    大内宮       カスガに会いて
もととう            原因を問う     
をきなこたえて              翁 答えて
このすすは あめつちひらく    「このは     天地 開く
とこたちの みやまさかき    トコタチの     宮の真榊
あゑに さくすすなる    熟枝 千枝に     さく鈴となる」
うゑつきの ゐもいたれは    「植え継ぎの    五百に至れば
みもはかり よろとしみちて    三百ハカリ     万歳 満ちて
ゐもつきの あまのまさかき    五百継ぎの     天の真榊
としの とせには    「年の穂の     十年には五寸
むそとしに のふゑとの    六十年に      三尺 伸ぶ ヱト
ひとめくり あくるとしなる    一回り       明くる年 成る
みたのあゑ なれふたゑと    三尺の熟枝     なれば二兄弟
きあゑより かそえ    キアヱより     枝と穂と数え
ひとむそ ゑはむもとせ    一枝 六十      十枝は六百年
ゑはむち ゑにむよろお    百枝は六千     千枝に六万を
あまもりの ひとめくりつつ    陽陰守の      一回りづつ
こよみなる かれちゑのとし    暦 成る」      「故 千枝の年
たねうゑて あくれはゆる    種 植えて      明くれば生ゆる
まさかきお はこくにみやに    真榊を       ハコクニ宮
とこたちの うゑてくになも    トコタチの     植えて国名も
ひたかみの たかみむすひの    ヒタカミの     タカミムスビ
うゑつきの ふそひすすの    植え継ぎの     二十一の鈴の
もものち たまきねの    百枝後       五代タマキネ
いさこひめ ななかみの    イサコ姫      七代の守
たかひとと たかひつさの    タカヒトと     タカヒの西南の
つくはやま いさかわなる    ツクバ山      イサ川端なる
みやて うなつきあみて    宮に居て      頷き合みて
きみあひて いさなきと    キ・ミ 会ひて    名もイサナキ
いさなみの あめふたかみの    イサナミの     天二神
みこなきお かれたまきねの    御子 無きを     故 タマキネの
かつらきの やまいのれは    カツラキの     山に祈れば
あめみをや ひのわみたま    アメミヲヤ     日輪の霊魂
わけくたし あまてるかみお    分け下し      アマテル神
うみたまふ            生み給ふ」    
ときふそひすす              「時 二十一鈴
もふそゐ みそひきしゑの    百二十五枝     三十一 キシヱ
はつひのて わかひともに    初日の出      若日と共に
あれませは いみなわかひと    生れませば     斎名 ワカヒト
うふみやは はらみさかおり    産宮は       ハラミサカオリ
ゑなお おさむれは    包の胞衣を     峰に納むれば
よくまもり わさはひあるも    よく守り      禍 あるも
しなかゑて ふせきはらえは    品 替えて      防ぎ祓えば
やわらきて たまのをなかく    和らぎて      魂の緒 長く」
これより おおやますみか    「これにより    オオヤマスミ
めくりみて よめちゆくの    巡り回て      ヨメ路 行く 北の
おさむ ゑなかたけなる    に納む      胞衣が岳(恵那岳) 成る
しなくに いたるわかひと    シナの国」     「至る ワカヒト
ひたかみの あめのみやにて    ヒタカミの     陽陰の宮にて
みちまなふ みそしろし     学ぶ       三十年に知ろし
みやつくり おおひやまに    宮 造り       大日山下に
まつりとる あめふたかみの    執る」      「天二神の
ゆつりうけ あまひのみこと    譲り 受け      天日の御子と」
みうちには そふつほねに    「御内には     十二の局
おくきさき たりすけに    置く后       四人のスケ
うちめと おしもそゑて    四内侍と      四乙侍 添えて
つきのみや せおりつひめお    月の宮       セオリツ姫
みきさきと あめおさめて    御后と       に収めて
おおやまと ひたかみやすの    オオヤマト     ヒタカミ ヤス
まつりこと きこせたみも    政事        聞こせば民も
おたやかに ふそゐよろとし    穏やかに      二十五万年」
あめひつき みこおしひと    「天地日月     御子のオシヒト
 ゆつりうけ もとたかひに    譲り 受け      元のタカヒ
しろしめす にしやすかわ    知ろし召す     西はヤスカワ
おもいかね をしかとわけて    オモイカネ     御使人 分けて
とつくには つきよみをさむ    外つ国は      ツキヨミ 治む
しらやまは つきすみは    シラヤマは     ツキスミ
すみよろし あまてるかみは    スミヨロシ」    「アマテル神は
 こゑくにの いさわをうちの    還国の       イサワ 大内
みやて やつをんみみに    宮に居て      八つ御耳
きこしめし たみをしゑは    聞こし召し     民の教えは
いせのみち そのかんかせの    妹背の道」     「その神風
いせのくに とほりたつとむ    イセの国      通り 立つ富む
かんかせお うらやみねしけ    神風を       羨み ねじけ
はけものか みつからほめて    化物が       自ら褒めて
はたれきみ なはかりこちお    ハタレ君      七十万九千を
むれあつめ くにみたれは    群れ集め      地を乱れば
すみよろし かとりかしまや    スミヨロシ     カトリカシマ
いふきぬし かたたちからを    イフキヌシ     カダタチカラヲ
くすひかみ みなうつわて    クスヒ守      皆 得て
これうつ ときはたれ    これを討つ     時に 六ハタレ
みなくたる これすへかみの    皆 降る       これ 皇守の
 みことのり            御言宣」      
みこおしひとも              「御子オシヒト
みそよろ をさめてみこの    三十万端      治めて 御子の
ほのあかり とくさたからに    ホノアカリ     十種宝
かけめくり そらみつやまと    駆け回り      空回つヤマト
あすかみや おときよひとは    アスカ宮」     「弟 キヨヒト
にはりみや あらたひらきて    ニハリ宮      新治 開きて
たみをさむ そやよろとしに    民 治む       十八万年に
ことて みつきはわかる    殊を得て      水際 分かる
にはりふり あめよりみつの    ニハリ振」     「より三つの
かんたから きみとみわけて    神宝        君・臣 分けて
たまわれは こころひとに    賜われば      心 一つに
くにも しわかみほつま    国の名も      "地上ホツマ"
あらはるる みそよろふれは    現るる」      「三十万 経れば
あめのなも わけいかつちの    の名も      ワケイカツチ
あまきみと むそよろをさむ    天君と       六十万 治む
ををんめくみそ          大御恵みぞ」
さきみこ たりうむとき    「先に御子     三人 生む時
しなのより しなあかたの    シナノ(信濃)より     四シナ県の
 ぬしきたり あまてるかみの    主 来たり      アマテル神の
ためしあり ゑなこふときに    例 あり       胞衣 乞ふ時に
みことのり はにしなぬしは    御言宣       『ハニシナ主(埴科)は
 ゑなかたけ はゑしなおよひ    恵那岳       ハヱシナ及び
さらしなと つましなぬしら    サラシナ(更科)   と     ツマシナ(妻科)主ら
このゑな そのおさめ    この三胞衣     その峰に納め
まもるへし            守るべし』」   
そのおとみこの              「その乙御子の
うつきねは つくしいたり    ウツキネは     ツクシに至り
こやし をやつかふる    田を肥やし     祖に継がふる
たみめて そやよろをさめ    民を愛で      十八万 治め
もとくにの ひつきうけて    本国の       日月を受けて
あまかみの をやにつかふる    天神の       "祖に継がふる
きみも むそよろをさめ    君" の名も     六十万 治め
けゐのかみ            "契の神"」  
みこかもひとは              「御子カモヒト
ひつきうけ みつほうつす    日月 受け      ミツホを移す
たかみや をさむるたみお    タガの宮      治むる民を
ことし あめにことふる    子の如し      天に応ふる
かみのなも みをやあまきみ    守の名も      "御祖天君"」
わかみやの ときよそよろ    「若宮の      時に四十万
よのまつり またみそゐよろ    万の政       また三十五万
ゆたかなり            豊かなり」   
ときいさわの              「時にイサワ
あまつかみ そふきさきも    天つ神       十二の后も
かみなる せおりつひめと    神となる」     「セオリツ姫
ををんかみ みやうつさんと    大御神       『宮 移さん』 と
みもかわに あのほるちて    ミモ川に      熟上る方 得て
さこくしろ うちみやゐに    サコクシロ     内(宇治)の宮居に
ふよへる ときゐそすす    二万年 経る」    「時に五十
みやはゑ つらつらおほす    宮に生え      つらつら思す
うゑすして はゑるあめよ    『植えずして    生えるも天地
わかいのち あめしらと    我が命       天地が知らす』と
やもかみお めしわれお    八百守を      召して『我 世を
いなまんと さるたあなお    辞まん』と     サルタに穴を
ほらしむる まなゐちきる    掘らしむる     『マナヰに契る
あさひみや おなしところと    アサヒ宮      同じ所』と
のたまえは もろおとろきて    宣給えば      諸 驚きて
ととむれは いやとよわれは    留むれば      『否とよ 我は
たみため にかきはみて    民のため      苦きを食みて  (ハホ菜)
もなそみよ ふちゐもとしお    百七十三万     二千五百年を
なからえて あめたのしみ    長らえて      の楽しみ
おほゆれは のこすうた    覚ゆれば』     世に遺す歌
つねきく さをしかやたの   『常に聞く      直御使八手
わかかむり みもたみに    我が冠       衣と裳 "民に
ととけ あわつかねて    緒を届け      陽陰を束ねて
ひつきなす もすそくめと    日月 為す      裳裾を汲め" と
きみたみの をしゑのこして    君・民の       教え 残して
かえる とていため    天に還る      とて な傷めそ
わかみたま ひともの    我が霊魂      人は上のもの(人は皆 上つ身)
うえある われはかんむり    '上にある      我は冠
ひとくさは みみちかきそ    人草(民) は       耳近き緒ぞ(冠の緒)'
むねきよく あかつけと    胸(心) 清く       身は垢 付けど
さして あめつくれは    直使が見て     天に告ぐれば
さをしかの やつのきこえに    直御使の      八つの聞え
あらはれて いのれもかもと    露れて       斎れもがもと (清まることを願って)
 みもすその たみなてつつ    裳裾の       民を撫でつつ
さをしかの きよきかみは    直御使の      清きに神は
ありこたえ          ありと断えき』 (断ずるものである)
かえしのとうた          返し宣歌
ひとつねに かみむかはは   『人 常に       神に向はば
みみの あかあもとの    世の身々の     垢は 天元
さをしかに きよめたまひて    直御使に      清め賜ひて
さこくしの ふゆのかかみに    サコクシの     ふゆの鏡に
 いるおもゑは          入ると思えば』
またさるた むかしさつくる    「またサルタ    昔 授くる
さかほこき うつくしきすす    サカホコキ     美しき鈴
わいきたち かかんのんてん    地生太刀      カカンノンテン
ときまちて みちあらはせよ    時 待ちて      道 現わせよ」
またきさき ひろたゆきて    「また      ヒロタ(廣田神社)に行きて
わかひめと ともゐこころ    ワカ姫 (セオリツ姫)  と      共に妹心
まもるへし われとよけと    守るべし      我はトヨケ
をせもる ゐせのみちなり    背を守る      妹背の道なり」
またこやね なんちよくしる    「またコヤネ    汝 良く知る
たけこ くしひこうまれ    タケコが子     クシヒコ 生まれ
すくなれは さつくみほこに    直ぐなれば     授く御矛に
 かんかみて みもろいりて    鑑みて       ミモロに入りて
ときまつも みちおとろはは    時 待つも      道 衰はば
またいてて をこさためや    また出でて     熾さんためや」
なんちまた かかみのとみは    「汝 また      鏡の臣は  
かろからす かみみやこに    軽からず      神を都に
 ととむへし われまもらん    留むべし      我も守らん
これなりと みよのみははこ    これなり」と    礼の御衣箱
みをしてと なんちかすかよ    御ヲシテと     「汝 カスガ
のこしもの たかもちゆき    遺し物       タガに持ち行き
ささけよと みつからこれお    捧げよ」と     自ら これを
さつけます かすかはきみに    授けます      カスガは君に
たてまつる かみのをしてと    奉る        神のヲシテと  
さをしかの かむりはもは    直御使の      冠と衣裳は
ここちりそ みゆきみこし    菊散ぞ       神行の御輿
まなゐにて あまてるかみは    マナヰにて     アマテル神は
うちつみや とよけとみや    内つ宮 (籠神社本宮)        トヨケは外宮(真名井神社)
かれかすか おくりのちは    故 カスガ      送りて後は
 つとめおり みかさやしろの    勤め 降り      ミカサ社
たまかえし くにをさまれは    魂返し       地 治まれば
かれなし まつりのあやお    枯れも無し     祭の文
みつそめて ひともちゆき    三つ 染めて     一つ 持ち行き
ひよみなす ふたゑさつけ    日夜見なす     フタヱに授け
みもすその さこくしろうち    御裳裾の      サコクシロ内
あらためて あまてるかみの    改めて       "アマテル神の
うちつみや やもつかふかみ    内つ宮"       八百 仕ふ守
はんへりて ひもろけささけ    侍りて       ヒモロケ 捧げ
あにことふ ゐせのみちうく    天に応ふ      妹背の道 打く
かんとみの つかふかみか    神臣の       仕ふ守等が
はへるゆえ うちはへところ    侍る故       "打侍所"
 かすかかみ ふとのとことお    カスガ守      太宣言を
つかさとるかな          司るかな
むよろとし こそつきる    六万年       経て 去年 尽きる
さくすすそ むかしかすかに    さく鈴ぞ      昔 カスガに 
みことのり ふそむすすお    御言宣       「二十六の鈴を
われうゑて のちふそゐも    我 植えて      後の二十五も
みことのり うけめくりうゆ    御言宣       受け 巡り植ゆ
みやまえ きみおわさは    宮の前       君 おわさねば
いかん ふたゑいわく    如何にせん」    フタヱが曰く
かすかとの いなむみかさも    「カスガ殿     辞む 御畏
いまゐせの つかふるかみの    今 妹背の      仕ふる守の
 ゐますへし これことわりと    居ますべし」    これ 理と
くにめくる ものぬしふれて    地 巡る       モノヌシ 告れて
もののへ かすかのかみお    モノノベ等     カスガの守を
 みちひか もろかみいはふ    導かす       諸守 祝ふ
 かとてて くにくにめくり    門出して      国々 巡り
 まさかきの ふたゑみゑとゑ    真榊の       二方 三方 十方
かつてなく いよいたれは    嘗て無く      イヨに至れば
ことしろか やかたいれて    コトシロが     館に入れて
 あるしとふ すすなえありや    主 問ふ       「鈴苗 有りや」
かつてなし むなしく    「嘗て無し     手を空しくす」
ものぬしか をきなうゑんや    モノヌシが     「翁 植えんや」
かすかまた われとみなり    カスガ また     「我は臣なり
きみうゆる あまのまさかき    君 植ゆる      天の真榊
いかん われはのとこと    如何にせん     我は宣言
のんすのみ またとふなんち    宣んすのみ」    また問ふ「汝
すつや ほろしいわく    治を棄つや」    ホロして曰く
 はすて うゆおおそれて    「治は棄てず    植ゆを恐れて」
またもとふ いふきかみかや    またも問ふ     「イフキ守かや」
ときはは たなこひめあり    時に母       タナコ姫 あり
こたえいふ むかしふたかみ    応え言ふ      「昔 二神
ひのかみお きみつきつく    日の神を      君 月は次ぐ
つくとみ このとみなり    次ぐは臣      この子 臣なり
とみおもて またきみとせす    臣を以て      まだ君とせず」
ひのかみの つきうゆる    「日の神の     嗣 得て 植ゆる
きみはいま わかきたけひと    君は今       若きタケヒト
おもわは あめのむしはみ    思わねば (それを考えて汝が今  植え継いでおかねば)     陽陰の蝕み
はるるとき なえはゑなんや    晴るる時      苗 生え無んや」 (生えて無いじゃないか)
 あるしとふ さくすすはたち    主 問ふ       「さく鈴 二十年
のひいかん かれうせたり    伸び 如何ん」    「過に失せたり
これあめ ときふたゑか    これも陽陰」    時にフタヱが
こよみは いかかなさんや    「暦名は      如何 為さんや」
 ときにひめ たらちをかみに    時に姫       タラチヲ神に
 かりいわは すすきよわひ    懸り言わば     「鈴木は齢
はたとせの のひこのの    二十年の      伸びもこの木の
あのいのち かすかよわい    天の命       カスガも齢
なかけれは これなつくへし    長ければ      これ 名付くべし」
ときかすか ややえみいわく    時 カスガ      やや笑み曰く
こよみなお あすすんや    「暦名を      "天鈴" とせんや」
ときにひめ もろかみともに    時に姫       諸守 共に
むへなりと あすすにきわめ    「宣なり」と    天鈴に極め
ふそひの きなゑはるは    二十一穂の     キナヱの春は
あめふたゑ あすすこよみと    アメフタヱ     "天鈴暦" と
 かえて あつさほりて    名を代えて     に彫りて
たてまつる あすすこよみお    奉る        天鈴暦を
 もろうけて このわさお    諸 受けて      この世の業を
かんかみる こよみこれなり    鑑みる       暦 これなり
たなこひめ いふきとみやに    タナコ姫      イフキト宮
うむみこの いよつひこ    生む御子の     兄はイヨツヒコ
とさつひこ うさつひここれ    トサツヒコ     ウサツヒコ これ
をんともに ゆきつくしの    御供に       行きてツクシ
 うさすむ ははもうさにて    ウサに住む     母もウサにて
かみなる いつくしまみや    神となる      イツクシマ宮
いとうかみ よきしるそ    イトウ神      善きを知る名ぞ
おろちなる はちみつから    オロチなる     恥に自ら
さすらひて いとうしれは    流離ひて      イトウを知れば
おおなむち ひめめとる    オオナムチ     一姫を娶る
しまつ みつひめまつる    子のシマツ     三姫 祭る
そとかはま いとうやすかた    外ヶ浜       イトウヤスカタ
かみみけ はむうとうあり    神の御供      食むウトウあり
こかしらの おろちかはめは    九頭の       オロチが食めば  
しまつうし ははきりふれは    シマツウシ      斬り伏れば
にけいたり こしのほらあな    逃げ出たり     越の洞穴
ほりぬけて しなのてれは    掘り抜けて     シナノに出れば
これつく いせとかくし    これを告ぐ     イセのトガクシ
はせかえり なんちおそる    馳せ帰り      「汝は恐る
これいかん こたえむかし    これ 如何ん」    答えて「昔
ふたおろち ひめうまれて    ふたオロチ     姫に生まれて
きみめせは もちみこうみ    君 召せば      モチは御子 生み
すけなる はやはひめうみ    スケとなる     ハヤは 生み
うちつほね うちせおりつか    内局        内 セオリツ
みきさきに なるもちこか    御后に       なるをモチコが
ころさんと ねためははやは    殺さんと      妬めばハヤは
きみおしゐ おときみこえと    君を退い      弟君 媚えど
あらはれて ともさすらふ    露れて       共に流離ふ
あかつちか おおときみに    アカツチが     姫を弟君に
ちなむおは はやおろちに    因むをば      ハヤがオロチ
かみころす おとあしなつか    噛み殺す      弟 アシナヅ
こゑは ななひめまては    姫を乞えば     七姫までは
かみくらふ ときそさのを    噛み食らふ     時にソサノヲ  
これきり やすかたと    これを斬り     身をヤスカタ
まつるゆえ またやますみの    祭る故       またヤマスミ
うまれ いもとねたむ    姫と生まれ     妹を妬む
つみとり またもちおろち    罪の鳥       またモチオロチ
せおりつお かまんかまんと    セオリツを     噛まん噛まんと
もゐそよ ゑそしらたつの    百五十万年     蝦夷白竜の
たけまつ いまかみなる    に待つ      今 神となる
むなしさよ とかくしいわく    虚しさよ」     トカクシ 曰く
なんちいま ひみのほのほお    「汝 今       日三の炎
たつへしそ わかみけはみて    絶つべしぞ     我が食 食みて
したおれ さかみもれは    下に居れ      清身を守れば
つみきえて またひとなると    罪 消えて      また人 成る」と
きれは よろをたうの    緒を切れば     万の緒絶
やまはこさき          山ぞ ハコサキ
このさきに たけうまるる    この先に      健に生まるる
たけこひめ たかもうてて    タケコ姫      タガに詣でて
ものぬしか たちおわれは    モノヌシが     館に終われば
すすきしま おもむろおさめ    ススキ島 (現・竹生島)     骸 納め
たけふかみ むかしさすらい    健生神       昔 流離い
ことひく ときあられの    琴を弾く      時に霰の
すすきうつ ことひひきて    芒 打つ       異に響きて
たえなれは このうつし    妙なれば      この映を写し
ことつくる いすきうち    琴 作る       名もイスキ打ち
しまうみも いすきなり    島海も       名はイスキなり
たきこひめ かくやまつみの    タキコ姫      カクヤマツミ
つまなり かこやまうみて    妻となり      カコヤマ 生みて
さかむなる ゑのしまかみと    サカム (相模)なる     ヱノシマ神
 なりにける            成りにける
あすすみそみ              天鈴三十三年
かすかかみ ももゐそむよろ    カスガ守      百五十六万
ふそゐなり ふたゑいわく    二十五なり     フタヱに曰く
わかよはひ きわまるゆえに    「我が齢      極まる故に
かんおちお なんちさつく    神翁を       汝に授く」
つとめとて みかさかえり    勤めとて      ミカサに帰り
 たらまつり なんちおしくも    タラ 祭り      「汝 オシクモ
しかきけ むかしつかえて    確と聞け      昔 仕えて
みかかみお たまえわれ    御鏡を       賜えば 我ら
たのとみそ わかやわせ    左の臣ぞ      我が子等 和せ
たとふれは はるぬるて    例ふれば      春はヌルテ
なつあおく もみちつよく    夏 青く       もみぢは強く
ふゆおつ たとひおちても    冬 葉 落つ     例ひ落ちても
うらめ かけまめなせ    な恨めそ      陰の忠 なせ
うらめ かけまめなせ    な恨めそ      陰の忠 なせ
このてる ゆえあすかお    この芽 出る」    「故はアスカ
おちとき まめおわすれ    落ちた時      忠を忘れず
このゆえに みまこめされ    この故に      御孫に召され
まめなせは ついかかみの    忠 なせば      遂に鏡の
とみなる またものぬしは    となる」     またモノヌシ
みきのとみ つよきあきの    右の臣       葉 強き 秋の
ゆみつるき かくことしと    弓・剣        かくの如し」と
さけすすむ そのさかつきお    酒 進む       その逆坏 (返杯)を
こえいな からさつけ    請えば「否     子から授けぬ」
ときまた かかみのとみお    時にまた      「鏡の臣を
うやまうか のこるのりそと    敬うが       遺る法ぞ」と
かみなる きさらきそひ    神となる      ニ月十一日
おしくもは よそやもにいり    オシクモは     四十八 喪に入り
やましろの おしほおさむ    ヤマシロの     オシホに納む
ひかしむき これひめかみの    東向き       これ ヒメ上
まかるとき はやましろに    罷る時       はヤマシロに
いますゆえ いきすのみやの    居ます故      イキスの宮
にしむきそ もろたみしたひ    西向きぞ      諸民 慕ひ
もにいるは あめもことし    喪に入るは     天喪の如し
さるたひこ みそきにあわの    サルタヒコ     "水濯ぎに泡"の  
むなさわき ふとまにみれは    胸騒ぎ       フトマニ 見れば
 ゐむは かかみゑゑなる    五六の味は     『鏡 熟なる
なかひとり うれひありとて    中 一人       憂い有り とて
これまつり うけうれいと    これ 祭       受けぬ憂い』と
 おとろきて うちいたれは    驚きて       ウチに至れば
みかさやま なおはせのほる    ミカサ山      なお馳せ上る
かすかとの はやかりおさめ    カスガ殿      早や仮納め
もなかゆえ とももにいり    喪中ゆえ      共に喪に入り
みこしなし あすひらおかに    神輿 成し      翌日 ヒラオカ(枚岡) に
おくるとき さるたこえは    送る時       サルタが請えば
ゆるされて みこしあくれは    許されて      神輿 開くれば
さるたひこ われつねこふ    サルタヒコ     「我 常に請ふ
たまかえし おゐゑふたゑ    魂返し       オヰヱフタヱ
ひふみあり いまわれひとり    天文 あり      今 我 一人
うけさると ちちにそくやむ    受けざる」と    散々にぞ悔やむ
ときかみ あきいわく    時に       眼を開き 曰く
なんちよく わすれきたる    「汝 よく      忘れず来る
 みもすそよ こふこれそと    御裳裾よ      請ふはこれぞ」と
さつけます さるたうけとり    授けます      サルタ 受け取り
とわんと はやめおとちて    問わんとす     早や眼を閉じて
こたえなし            応え無し
みゆきことなり              神行事(葬儀) 成り
そののちに みもすそとえは    その後に      御裳裾 問えば
さるたひこ むかしはたれお    サルタヒコ     「昔 ハタレ
やふらんと みそきなすとき    破らんと      禊なす時
かみの いわかかりて    神の裳の      岩に懸かりて
 ひたひけは たきおちくたる    ひた引けば     滝 落ち下る
さくなたり あめいのれは    サクナダリ     天に祈れば
くすなかれ はみあしかむ    屑 (裳裾の屑)流れ       蛇 足を噛む
おいつめて とまるわらひて    追い詰めて     留まる蕨で
くくりすつ もすそくすに    括り棄つ      裳裾の屑に
やふるゆえ すすくすもちい    破る故       末々葛 用い
これたす しむみちやふる    これを治す     シムミチ 破る
うつわゑる みなみそきて    器 得る       穢禊[水禊]して
うつわゑて みちおやふり    器 得て       六ミチを破り
をさむたみ みなみもすその    治む民       皆 御裳裾の
なかれなり            流れなり」
さるたあさかに              サルタ アサカ
すなとりの ひらこかまれ    漁の        平子に噛まれ
おほるるお きみうすめて    溺るるを      君 ウスメして
そことくに つふたつあはの    退こ解くに     粒立つ粟の
さくとこに ひきあけさしむ    簀床に       引き上げさしむ
わらたす はひらぬきて    藁に養す      肺臓を温きて
なまこなす            鈍 熟す
さきかくやま              先にカクヤマニギハヤヒの臣の)
なかすねは みをやすへらき    ナガスネは     御祖皇
みこなきお おしくもいのる    御子 無きを     オシクモ 祈る
そのふみお こえさつけ    その文 (世嗣文)を      乞えど授けず
まかるのち あまのたねこは    罷る後       アマノタネコ
このふみお みかさこめて    この文を      ミカサに籠めて
きみとも なかすねひこは    君の供       ナガスネヒコは
そのくらお ひそかあけて    その蔵を      密かに開けて
うつしとる くらとみつけて    写し盗る      蔵人 見つけて
これつく たねこおとろき    これを告ぐ     タネコ 驚き
きみにつく さをしかやれは    君に告ぐ      直御使 遣れば
みここたえ くらとかわさは    御子 (ニギハヤヒ)  答え      「蔵人が業は(蔵人の言う所の業は)
われしら これあらけて    我 知らず」     これに粗けて
ことしろは いよととまる    コトシロは     イヨに留まる
そのつまは いせもふてて    その妻は      イセに詣でて
さるたひこ たたらなすおは    サルタヒコ     崇 為すをば
いたり そこひめうむ    身に至り      そこで姫 生む
そのつまに とりあけさせて    その妻に      取り上げさせて
おくりゆく ことしろえめは    <伊予に>送り行く      コトシロ 笑めば
さるたひこ たたゆるひめの    サルタヒコ     称ゆる姫の
たたら いすすひめなり    名はタタラ     イスズ姫なり
なかすねか われおたつれは    ナガスネが     我を立つれば
いちさわく かれはらみの    市 騒ぐ       故にハラミ
みこふれて ほつまひたかみ    御子 告れて     ホツマヒタカミ
かてふねお のほさゆえに    糧船を       上さぬ故に
たかのみや つくしみやに    タガの宮      ツクシの宮
ゆきゐます おおものぬしは    行き居ます     オオモノヌシ
たかとのに ねのくにをさめ    タガ殿に      根の国 治め
おおたおは ひうかかんとの    オオタをば     日向代殿
そえものと なしむすめの    副モノと      なして娘の
みらひめお めとりうむ    ミラ姫を      娶りて生む子
たたひこか あたつくしねは    タタヒコが     アタツクシネ
おさななそ ちちつみはも    幼名ぞ       父のツミハ
かみなる あすすゐそとし    神となる      天鈴五十年
かんなつき やそよよろみち    十月        八十四万三千
よそやなり ことしわにひこ    四十八なり     今年 ワニヒコ
ももやつ いもといすすは    百の八つ      妹 イスズ
とおゐつ とももにいり    十五つ       共に喪に入り
よそやのち あはあかたに    四十八後      阿波の県に
おさむのち みつからしるし    納む後       自ら記し
このふみお やしろおくは    この文を       (琴平宮)に置くは
ゐつこためか          何時のためか













(私論.私見)