ホツマツタヱ2、ワのヒマキ(地の巻)23



 (最新見直し2009.3.7日)

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【ホツマツタヱ2、ワのヒマキ(地の巻)23、衣定め剣名の文】
みはさためつるきあや     衣定め 剣名の文
あめつちも うちときよく    天地も       内外も清く
とほるとき みちもののへ    徹る時       三千モノノベ
しらゐしに つるきおかみて    領居州に      剣 拝みて
ものぬしか きるたからか    モノヌシが     「斬るも宝」が
ゆえこふ ときあまてる    故を請ふ      時に天地照る
みことのり            御言宣
つるきのもとは              「剣の元は
あめのほこ くにとこたちの    天の矛       クニトコタチ
にはまた ほこなきゆえは    代にはまだ     矛 無き故は
すなほにて のりまもれは    素直にて      法を守れば
ほこいら こころゆきすく    矛 要らず」     「心 行き清く
かみのよは ますよろとしの    上の代は      十万万年の
ことふきも うひちにのよは    寿も        ウヒヂニの代は
おこそかに かさるこころの    厳かに       飾る心の
ことふきも ももよろとしそ    寿も        百万年ぞ」
おもたるの たみときすくれ    「オモタルの    民 鋭き過ぐれ
ものうはふ これおのもて    物 奪ふ       これに斧 以て
きりをさむ おのはおきる    斬り治む」     「斧は木を伐る
うつわゆえ かねりにほこお    器ゆえ       金錬りに矛を
つくらて ときものきれは    造らせて      鋭き者 斬れば
よつきなし たみのよわひも    世嗣 無し      民の齢も
やよろなれ にもよれとも    八万均れ」     「食にも依れども
むかしあり よろすすへり    昔 あり       万鈴も減り
とせより またよろにます    百年より      また万に増す
これすすお むすふかみなり    これ を      結ぶ上なり」
おそるるは なつみときれは    「恐るるは     泥み人 斬れば
こたねたつ つつしめよ    子種 絶つ      実に謹めよ」
あめのかみ つきなくまつり    「天の守      嗣 無く 政 
つきんと かれいさなきに    尽きんとす     故 イサナギ
のたまふは とよあしはらの    宣給ふは      『豊葦原
ちゐもあき みつほあり    千五百秋      瑞穂の田 あり
なんちゆき しらすへしとて    汝 行き       領すべし』とて
ほこと さつけたまわる    経と矛と      授け賜る」
とはをして ほこはさかほこ    「ヲシテ    矛は逆矛
ふたかみは これもちひて    二神は       これを用ひて  
あしはらに おのころて    葦原に       オノコロを得て
ここおり やひろのとのと    ここに下り     八紘の殿
なかはしら たてめくれは    中柱        立てて回れ
おおやしま とふるまことの    央州        徹る 真(天理)の
とのをしゑ ちゐもあしも    調の教え」     「千五百の葦も
みなぬきて なしたみも    皆 抜きて      田となし 民も
にきはえは ゐやまととふる    賑えば       ヰヤマト 徹る
やまとくに まとのをしえは    ヤマト国」     「マトの教えは(調和・秩序を教えることは)
 のほるひの もとなるゆえに    昇る日の      本なる故に
ひのもとや しかれとやまと    "日の本" や     然れど ヤマト
すてよ われとのちに    な棄てそよ」    「我はトの道に  
をさむゆえ おみとみなり    治む故       "オミ" (大臣) も "トミ" (臣)なり
そのゆえは もともとあけの    その故は      元々明
みをやかみ ゐますうらには    ミヲヤ神      坐す裏には(陰の側:物質世界)
きたのほし いまこのうえは    北の星       今 この上は
みそむめの とのかみゐます    密む廻の      トの神 坐す
そのうらか なかはしらたつ    その裏が      中柱 立つ
 くにみち あめよりめくむ    地の道」      「天より恵む
とのかみと むねにこたえて    トの神と      胸に応えて<地のトの道が> (同調して)
まもるゆえ ひとなかこに    守る故       人のナカゴ
あいもとめ ひといたす    合い求め   <天と地を>   一つに致す
とのをしえ なかくをさまる    調の教え      長く治まる
たからなり あめのひつきお    宝なり」      「天地の日月
うくるの みつのたからの    受くる日の     三つの宝
そのひとつ あめなるふみの    その一つ      陽陰なる文
 みちのくこれ          道奥ぞ これ」
またほこも たからのゆえは    「また矛も     宝の故は
とのみちに くにをさむれと    調の道に      地 治むれど
そのなかに よこきくものは    その中に      横転く者は
おのに あわねはみちお    己が実に      合わねば道を
さかゆく ひともとれは    逆に行く」     「一人 悖れば
ともまし むれあつまりて    伴を増し      群れ集りて
わたかまり みちさまたけは    蟠り        道 妨げば
めしとりて たたしあかして    召し捕りて     糺し明かして
つみうつ をさむるみちの    罪を討つ」     「治むる道の
 みたれいと きりほころはす    乱れ糸       切り綻ばす
うつわもの あめのをしゑに    器物」       「天の教えに
さからえは うくあまの    逆らえば      身に受く天の
さかほこそ くにみたるれは    逆矛ぞ」      「地 乱るれば
あれて みつほのほら    田も粗れて     瑞穂 上らず(収穫が上がらず)
まつしきお つみひときりて    貧しきを      罪人 斬りて
たかやせは みつほのなりて    耕せば       瑞穂の成りて
たみゆたか ちからおほとし    民 豊か」      「力・大年
ささくれは やもにきわひ    捧ぐれば      八方の賑ひ
からてる かれたからそ    田から出る     故に宝ぞ」
さかほこも うちをさむゆえ    「逆矛も      討ち治む故
たからなり いさなみいわく    宝なり       イサナミ 曰く
あやまたは ひひかうへ    『誤たば      日々に千頭(臣・司)
ころすへし いさなきいわく    殺すべし』     イサナギ 曰く
うるはしや ちゐもかふへ    『麗はしや     千五百の頭
 うまんとて うみてをしゑる    生まん』とて    生みて教える
とのみちお うけてをさむる    調の道を      承けて治むる
ちゐもむら とのみちとほり    千五百村      調の道 徹り
おおとしの みつほゑるなり    大年の       瑞穂 得るなり」
ひかしらは ひたかみよりそ    「日頭は      ヒタカミよりぞ
をさまり そのやすくにの    治まりし      そのヤス国
ちゐもむら みなかうへあり    千五百村      皆 頭あり」
いまこれお あわせみちの    「今 これを     合せて三千の
かみをさむ あめつちさりて     治む       天地 離りて
とおけれは わたくしたつる    遠ければ      私 立つる
このゆえに もののへよもに    この故に      モノノベ 四方に
つかわして あめますひとと    遣わして      天マスヒト
そえふた さかかそえる    副 二人       清汚を数える
みちたてて みもむそ    道 立てて      汚の三百六十位
あめのみち およへころす    天の満ち      及べば殺す
みちはこれ もしあやまりて    はこれ」     「もし誤りて
ころさるも かたきとれは    殺さるも      敵を捕れば
とくと あまねくたみに    緒を解くと     普く民に
ふるるなり            告るるなり」
さほこくにの              「サホコの国
ますひとか みちおみたれは    マスヒトが     道を乱れば
これめす たたせはころす    これを召す」    「糺せば殺す
つみなるお のかる    罪なるを      清を得て逃る」
またに ついあめより    「またの汚に    遂により
つみせらる かれかおこりお    潰せらる」     「故 汚起りを
たやすくに ゆるせたみも    容易くに      許せば民も
みなおこる これよりはたれ    皆 驕る       これよりハタレ
あらはるる たとえかわの    現るる」      「例えば川の
みなもとの ひとしつくより    源の        一滴より
なかれまし のたあふるる    流れ 増し      野田に溢るる」
ひとこれ ひとゆるせは    「人もこれ     一人 許せば
よろむれて そのみちもとる    万 群れて      その道 悖る」
さしおけは ついにはよもの    「差し置けば    終には四方の
みたれなす これみなもとお    乱れなす」     「これ 源を
たたさは おおみつなして    直さねば      大水 成して
ふせか これしらすんは    防がれず      これ 知らずんば
をさまらなり          治まらぬなり」
われみるに ひといかわる    「我 見るに     人気(人の意識)は変る 
おこりかち へりにはかたく    驕りがち      減りには難ぐ
かれはたの をりのりさたむ    故 機の       織法 定む」
 ゆふはは たていとやも    「結の幅      経糸 八百垂
をさよも やそひとよみ     四百歯      八十垂 一
ひと へくゐそろゑ    八垂 一手      綜杭に揃え
あれをさに まきをさいれ    粗筬に       散き 筬に入れ
かさりかけ めをふみわけて    替さり 掛け     陰陽 踏み 分けて(経糸を上下二手に分けて)
かひなくる をさめくらて     投ぐる      筬 巡らせて
ゆふぬのも きぬをるなり    木綿・布も      絹も織るなり」
よみもの ものぬしかみの    「十算物      モノヌシ守の   
つねそ にはかたおり    常の衣ぞ      喪には固織
よみもの むらしあたひ    「九算物      
つねのはそ もはかたは    常の衣ぞ      喪は九の固衣
 よみもの あれをさへをみ    「八算物      粗長卑臣
つねのはそ もはやのかたは    常の衣ぞ      喪は八の固衣」
よみより ふとのたみの    「七算撚り     太布は民の
つねのはそ もはのかたは    常の衣ぞ      喪は六の固衣」
われつねに そふよみおきる    「我 常に      十二算を着る
つきかす もはのかたは    月の数       喪は十の固衣」
なつぬさ うみぬのをり    「夏はヌサ     績みて布 織り
ふゆゆき よりゆふをり    冬はユキ      撚りて木綿 織り
きるときは かみしもよよの    着る時は      上・下 弥々の(貴・賎 諸々の)
やすく かさるみれは    気も安ぐ」     「飾るを見れば  
にきはえと うちくるしむ    賑えど       内は苦しむ」
そのゆえは ゆふぬのきぬお    「その故は     木綿・布・絹を
そめかさる これなすひとは    染め飾る      これ 為す人は
たかやさ ひまかくゆえに    耕さで       暇 欠く故に
あれて たとひみのれと    田も粗れて     たとひ実れど 
とほしくて ややひとかすの    乏しくて      やや人数の
かてあれと もとちから    糧 あれど      元力 得ぬ
いねは はみてもこえ    稲の実は      食みても肥えず
やふやくに かてたらさるそ    漸くに       糧 足らざるぞ」
ほこるは あめにくみに    「誇る世は     陽陰の憎みに
あめかせの ときたかえは    雨風の       時も違えば時節が不適当となるので)
いねやせて たみのちからも    稲 痩せて      民の力も
ややつきて くるしむそ    やや尽きて     弥に苦しむぞ」
かさりより おこりなりて    「飾りより     驕りになりて
ときはかる はてはたれの    研ぎ化かる     果てはハタレ
くにみたれ たみやすから    地 乱れ       民 安からず
かれつねに たみのゐやすき    故 常に       民の気安き   
ゆふきる あさこすかの    木綿を着る」    「麻子と菅の
はふたゑは たみのゐやすく    羽二重は      民の気安く
なからゑと ひにいのるそ    長らえと      日(毎朝)に祈る衣ぞ」
にしこりは ゆきすきみやの    「錦織は      ユキスキ宮の
おおなめの ときのはそ    大嘗の       会の時の衣ぞ」
あやおりは はにのやしろの    「綾織は      埴の社
さなめゑに すきいのるはそ    新嘗会に      繁き祈る衣ぞ」
このゆえは あやにしこりは    「この故は     綾・錦織は
おさはやも ひとたり    筬歯 八百      一歯に四垂り
みちふも これあしはらの    三千二百垂     これ葦原
とよかす たなはたかみと    統(臣) の数       棚機神
たはたかみ おなしまつりの    田畑神       同じまつりの (天の祭と地の政)
あやにしき みちりのたてに    綾・錦」       「三千垂の経に
へかさりお かけよつむつ    綜・替さりを     掛けて四つ六つ
ふみわくる やなきあやなる    踏み分くる」    「柳紋なる
はなかたは ゑかきまのりに    花形は       描き 真延に
あてうつし つうちよこへに    当て写し      ツウヂ ヨコヘ
つりわけて をりひめかさり    連り分けて     織姫 替さり
ふむときに よこへにわけて    踏む時に      ヨコヘに分けて
つうちひく かひぬきなけて    ツウヂ 引く     杼 貫き投げて
をさめくる あやにしこりも    筬 巡る       綾・錦織も
これなるそ たかはたのりの    これなるぞ     高機法の
あらましそこれ          あらましぞ これ」
まつりこと たみいもせは    「政事       民の妹背(夫婦)は
をさひと くむをさは    筬 一歯       五屋 組む(束ねる)長は
ひとてゆひ やそてへひと    一手指       八十手侍 一人
あれをさと なるおとか    粗長と       なるを小臣等が
ちきりまく やそあれへおく    契り任く」     「八十粗侍 置く
あかたぬし これひとよみの    アガタヌシ     これ一
もののへそ やそくにに    モノノベぞ」    「八十侍の国に
つうちおき もののへたてお    ツウヂ 置き     モノノベ 経を
をしゑしむ このくにつこに    教えしむ」     「このクニツコ (国司)
よこへ そえあまねく    ヨコヘ 十人     添えて遍く
みちわきて さかおみあたひ    道 分きて (制度を公布して)      清汚臣 アタヒ
つうちて たたちつくる    ツウヂ 経て     直ちに告ぐる
めつけ これあたひそ    の目付      これ アタヒ等ぞ」
もののへお やもつかぬる    「モノノベを    八百人 束ぬる
ぬしこれ おおものぬしや    主はこれ      オオモノヌシ
そえむらし ことしろぬしと    副え ムラジ(連)     コトシロヌシ
たすけしむ そえのふたは    助けしむ」     「添の二人は
へとかさり おおものぬしは    綜と替さり     オオモノヌシは
はたぬし かれさかよむ    機(政事)の主       故 清汚を算む」
まて あれあれおさ    「十の汚まで    あれば 粗長
くみよひ そうちしかる    (五人組制)を呼び      十内は叱る
そのそとは あかたつける    十の外は      アガタ(県主) に告げる」
あかたぬし こそうちはつえ    「アガタヌシ    九十内は杖(杖打ち)
けたは かとやいれて    の汚は      枷屋に入れて
くにつこに つくれはかり    クニツコに     告ぐれば議り」
けたのかは つえうちあかた    「方の汚は    杖打ち アガタ
おひやらひ ふたけたならは    追ひ遣らひ」    「二方ならば
 くにさる あまれはつける    国を去る」     「余れば告げる
ものぬしの たたしあかして    モノヌシの     糺し明して
ふものかは しまさすらす    二百の汚は     隅に流離す」
けたは かみつめぬきて    「三方汚は     髪・爪 抜きて
いれすみ あめにわたれは    入墨し」      「天に渡れば
からす まかるつみは    身を枯らす     罷るの罪は
ものぬしの みことうけよ    モノヌシの     上言を受けよ」
もののへ しかきけこれ    「モノノベら    確かと聞け これ
わかままに たみきるよ    我が儘に      民を斬るなよ
たみはみな なおわかまこそ    民は皆       なお我が孫ぞ」
そのたみお まもりをさむる    「その民を     守り治むる
くにかみは これなおわか    地守は       これ なお我が子」
くにかみは たみのたらちね    「地守は      民のタラチネ
そのたみは くにかみのこそ    その民は      地守の子ぞ
わかこても をやかきるなよ    我が子でも     親が斬るなよ」
わかこさす つみもやそくら    「我が子 殺す    罪 百八十座
ままこさす つみふもなそ    継子 殺す      罪 二百七十汚
いもいさす つみふもなそか    妹 失さす      罪 二百七十汚
うますめは よそめあにも    生まず女は     避女ぞ 兄も
からす とかみもむそか    夫も枯らす     咎 三百六十汚
うまさるは よそうめはあに    生まざるは    <結果として>  余所 生めば 豈(妾が生めば何ら罪無し)
たらちうつ とかみもむそか    タラチ 失つ     咎 三百六十汚
ままをやお うつとかよもか    継親を       失つ咎 四百汚」
あめのりお たみひとくみか    「天法(公法) を      民 一組が
みたれても をさめくらは    乱れても      筬 巡らねば
はた かれおさむるは    機 織れず      故 治むるは
はたのみちかな          機の道かな」
ときまた おおものぬしか    時にまた      オオモノヌシ
もうさくは むかしみたれす    申さくは      「昔 乱れず
おこらお あらこては    驕らぬを      粗衣を着ては
いつくんそ きみゑみいわく    いづくんぞ」    君 笑み曰く
なんちもと たたちおもへと    「汝 元       直ち思へど 
のちに いやをさまれは    後の世に      弥 治まれば
うゑしら おこるたのしの    飢え 知らで     驕る 楽しの
みつるとき うゑとしころは    満つる時      飢え 遠し頃は(忘れた頃)
みのらすて まことうゑる    実らずて      真に飢える
これかねて さたむるはのり    これ 予て      定むる衣法
かんかみそ これつつしめよ    鑑みぞ       これ 謹めよ」
むかしなる あおひとくさも    「昔 現る      青人草も
ふゑて みちふれても    繁に増えて     道を告れても
とときかね こすゑやふるる    届き兼ね      来末 破るる
もといかや ときほこふらは    基かや       時 矛 振らば
すみやかに とほらものと    速やかに      通らんものと
つるきなす そのときふれて    剣 成す」      「その時 告れて
かねりとお たりにつるき    金錬人を      十人に剣
つくらしむ なかとりは    造らしむ」     「中に一人は
ひいてたり やひはするとく    秀でたり      刃 鋭く
みつおわる このかねりとに    瑞を破る」     この金錬人に
みことのり なんちかやいは    御言宣       「汝が刃
よくときそ しかれとまての    良く研ぎぞ     然れど左右の
いきかれお しらをしえん    活き枯れを     知らず 教えん
しかきけ はるの    確と聞け」     「左の目は春の
いきるころ たのめおいれて    活きる頃      左の目を入れて
ねるつるき いきみちかく    錬る剣       活き身に近く
かれうとし もしあやまるや    枯れ 疎し      もし誤るや
おそるなり のめはあきの    恐るなり」     「右の目は秋の
からすころ かのめおいれて    枯らす頃      右の目を入れて  
ねるつるき かれみにちかく    錬る剣       枯れ身に近く
いきうとし つみあるものお    活き 疎し」     「罪ある者を
かれいふ なきいきなり    枯れと言ふ     無きは活きなり」
かのつるき かれみおこのみ    「右の剣      枯れ身を好み
いきおそる これをさむる    活き 恐る      これぞ治むる
たからもの これうつへしと    宝物        これ 打つべし」と
のたまえは をそれの    宣給えば      畏れて百日の
ものいみ みきひとて    物忌し       右目一つで
ねるつるき ふりあくれは    錬る剣       八振 上ぐれば
みことのり いまこのつるき    御言宣       「今 この剣
むへいたる わかみこころに    むべ至る      我が実心に
よくかない みよをさまる    よく適い      世の治まる
たからもの やゑかきの    宝物        名も八重垣の
つるきとそ            」とぞ
かねりほめて              金錬りを褒めて
たまふなは あまめひとつの    賜ふ名は      アマメヒトツ
かみなる のちはたれか    守となる      後にハタレ
みたるとき かなさきおよひ    乱る時       カナサキ及び
むまさかみ つるきたまわり    六将守       剣 賜わり
はたれうち やたみをさむる    ハタレ 討ち     八民 治むる
いきおひも かれからして    勢ひも       枯は涸らして
いきゑる たとゑはやし    活きを熟る     「例えば林
きりひらき たくこたまの    伐り開き      焚くに木魂の
なきことく きるへきとかは    無き如く      斬るべき咎は
きりつくす おもいのこら    斬り尽す      思い 残らじ」
 つるきとは つはよはひ    「ツルギとは    "ツ" は木の齢   
あにつきて かれるあのつそ    熟に尽きて  (極みに達して)     枯れる 熟の尽ぞ
るはしはの かわけもゆる    "ル" は柴の     乾けば燃ゆる
るきそ きはかれて    霊気の火ぞ     "キ" は木の枯れて
おもひなし かれにつるきと    思い 無し      故に "尽霊帰" と
なつくなり もしたみおこり    名付くなり」    「もし民 驕り
みのほとも わすれついに    身の程も      忘れて 終に
つるきうく うけさせとて    剣 受く       受けさせじとて
かきよ もしもつかさの    身の垣よ」     「もしも司の
おこりにて たみおからせは    驕りにて      民を枯らせば
つみおおし よこへさらに    罪 大し       ヨコヘに更に
あらためて そのたみいかす    検めて       その民 活かす」
とみことみ おこりしのひて    「臣・小臣      驕り忍びて
みちまもれ わかための    道 守れ       我が身のための
やゑかきはこれ          八重垣はこれ」
ときまた おおものぬしか    時にまた      オオモノヌシ
もふさくは はたれやふるの    申さくは      「ハタレ 破るの
もかな とえあまてる    名をもがな」    問えば 天地照る
みことのり はたれかわさは    御言宣       「ハタレが禍は
ちかつけ ゆみややふり    近付けず      弓矢に破り
ちかつけは たちうちはらふ    近付けば      太刀 打ち 払ふ
みのかきそ            身の垣ぞ」
またとふやたみ              また問ふ「八民
おさむれは やたいかん    治むれば      "ヤタ" 名は如何」
みことのり かかみたみの    御言宣       「鏡は民の   
こころいる いれものなれは    心 入る       入れ物なれば
やたかかみ つるきはあたお    ヤタ鏡       ツルギは仇を
ちかつけ            近付けず」
またとふかきの              また問ふ「垣の
やゑいかん きみにこゑみて    "ヤヱ" 如何」    君 にこ笑みて
のたまふは いしくこえ    宣給ふは      「美しくも請えり
それやゑは むかしふたかみ    それ "ヤヱ"は    昔 二神
くにしらす ものいふみちの    地 領らす      もの言ふ道の
あわうたの あめちち    アワ歌の      "ア" は天と父
ははそ わかなり    "ワ" は母ぞ    "ヤ" は我が身なり
このあわや のとよりひひく    この "ア・ワ・ヤ"   咽より響く
はにこえ くにしらする    埴の声       地を領らする
たねなれは あわあわくに    種なれば      "アワ" は央国
やもの あおひとくさの    "ヤ" は八方の    青人草の
やたみ いえゐなり    名も "ヤタミ"    "ヤ" は家居なり
をさむ みはわかみなり    "タ" は治む     "ミ" は我が身なり」
あわくにの やしま    「央国の      家に居て八州
しらすれは やはやつなら    領らすれば     "ヤ" は八つならず
ももちよろ かさぬるふしの    百千万       重ぬる節の
やえかきそ            弥重垣ぞ」
ときものぬし              時にモノヌシ
ゑみいわく むかしものぬし    笑み曰く      「昔 モノヌシ
たまわりて ふかくおもえと    賜わりて      深く思えど
またとけ いまやふやくに    まだ解けず     今 漸やくに
これしる これやゑかきは    これを知る     これ 八重垣は
もののへの なりおのか    モノノベの     名なりと己が
をにこたゆ てれはすへらの    央に応ゆ      てれば 皇の
よよかき おのかなりと    重々の垣      己が央なり」と
ちかいなす またみことのり    誓いなす      また 御言宣
むへなるや くしひこなんち    「むべなるや    クシヒコ
みまこより をこぬしかみの    御孫より      ヲコヌシ守
たまふも またたらわれ    賜ふ名も      まだ足らず 我
ふたかみの たまふさかほこ    二神の       賜ふ逆矛
さいわひに そのゑれは    幸ひに       その気を得れば
ゆつるなり うまれすなおに    譲るなり」     「生れ 素直に
やまとちの をしゑかなふ    ヤマト道の     教えに適ふ
すへらきの やゑかきをき    '皇の        八重垣の翁'」
たまふなも やまとををこの    賜ふ名も      ヤマトヲヲコノ
みたまかみ            ミタマ守
ときにくしひこ              時にクシヒコ
おそれふし しはしこたえ    畏れ伏し      暫し応えず
もののへ うけたまえと    モノノベ等     「さ、受け給え」と
すすむれと またうなたるお    進むれど      また頂垂るを
こやねまた ふかおそれ    コヤネ また     「な 深畏れそ
うけたまえ われわかけれと    受け給え      我 若けれど
こもりとは よよむつましく    コモリとは     弥々睦じく
きみため なかこひとに    君のため      ナカゴ 一つに
まめなさん ときにくしひこ    忠 なさん」     時にクシヒコ
うやまいて うけいたたけは    敬ひて       受け 頂けば
きみはまた ふとたまかくに    君はまた      フトタマカグ
みことのり まこてるひこの    御言宣       「孫 テルヒコ
はねのおみ ふとたまはよよ    羽の臣       フトタマは弥々
まつりとれ またかくやまは    祭 執れ       またカグヤマは
ものぬしよ むそもののへ    モノヌシよ     六十のモノノベ
つかさとり たみをさめよ    司り        民を治めよ」
ときにまた こやねこもりに    時にまた      コヤネ・コモリに
みことのり いまきよひとの    御言宣       「今 キヨヒト
はねのおみ こやねはよよの    羽の臣       コヤネは弥々の
まつりとれ こもりはよよの    祭 執れ       コモリは弥々の
ものぬしそ ともまもりて    モノヌシぞ     共に守りて
たみおたせ またすへまこに    民を治せ」     また皇孫
みことのり なんちまつり    御言宣       「汝ら 政  
おこたら ほつまなるとき    怠らず       ほつま 成る時
やたやすふらん          ヤタ (八方・八民) 安ぶらん」
くしひこは やまとやまへに    クシヒコは     大和ヤマベ
とのつくり かんかえは    殿 造り       齢を考えば
としすてに そふよろやちも    歳 既に       十二万八千百
きわあれは のちまもりは    極あれば (=極まれば)       後の守は
とよけのり たまのをいれて    トヨケ法      '魂の緒 入れて  (御心を込めて) 
すへらきの よよまもらんは    皇の        弥々 守らんは'
あめのみち みもろやまに    陽陰の道      ミモロの山
ほらほりて あまのさかほこ    洞 掘りて      天の逆矛
さけなから いりしつかに    放けながら(曝け出して)     入りて静かに
ときまつ すくなるぬしお    時を待つ      直ぐなる主を
みわけんと すくしるしの    見分けんと     直ぐな印の
すきうゆる をこのみたまの    杉 植ゆる      ヲコノミタマ
かみもと ひのわわけみの    守は本       日輪分身の
ことのりも あめにつくとて    言宣も       「熟に尽く」とて
こもりかみ そえもののへは    コモリ守      副モノノベは
とまみなり ことしろぬしは    トマミなり     コトシロヌシ
つみはなり ににきねみこの    ツミハなり     ニニキネ御子の
 まもりなりけり          守なりけり














(私論.私見)