| ホツマツタヱ2、ワのヒマキ(地の巻)20 |

| 【ホツマツタヱ2、ワのヒマキ(地の巻)20、皇孫 十種得る文】 | |
| すめみまことくさゑるあや | 皇孫 十種得る文 |
| ふそむすす そむゑよそひほ | 二十六鈴 十六枝 四十一穂 |
| としきやゑ やよいかすかの | 年キヤヱ 三月カスガの |
| としをいて まつりやすまん | 年老いて 政り休まん |
| ことわりに あまてらします | 理(ことわり)に 天照らします |
| おしほみみ みこはくしたま | オシホミミ 御子はクシタマ |
| ほのあかり いみなてるひこ くたさんと | ホノアカリ 斎名テルヒコ 下さんと |
| ちちみつからの つけふみお | 父自らの 告げ文を |
| かくやましかに たてまつる | カグヤマ使に 奉る |
| ふみにもふさく みつからか | 文に申さく 「自らが |
| あしはらくにお をさめんと | 葦原国を 治めんと |
| よそふまにたみ あつまりて | 装ふ間に民 集まりて |
| ひたととむゆえ てるひこお | ひた留む故 テルヒコを |
| くたすへきやと うかかゑは | 下すべきや」と 伺えば |
| いせのをんかみ きこしめし | 妹背の御神 聞し召し |
| ゆるせはしかの かえことす | 許せば使の 返言す |
| ここにとをやの あまつかみ | 「ここにト祖の 天つ神 |
| とくさたからお さつけます | 十種宝を 授けます |
| おきつかかみと へつかかみ | オキツ鏡と ヘツ鏡 |
| むらくもつるき うなるたま | ムラクモ剣 ウナル玉 |
| たまかえしたま ちたるたま | 魂返し玉 チタル玉 |
| みちあかしたま おろちひれ | 満ち明かし玉 オロチヒレ |
| ははちしむひれ このはひれ | ハハチシムヒレ コノハヒレ |
| このとくさなり | この十種なり |
| いたむこと あらはひふみよ | 傷む事 あらば一二三四 |
| ゐむなやこ とまてかそえて | 五六七八九 十まで数えて |
| ふるゑたた ゆらゆらふるゑ | 振えただ ゆらゆら振え |
| かくなせは すてにまかるも | かく為せば 既に曲るも |
| よみかえる ふるのことそと みことのり | 甦る 振る宣言ぞ」と 御言宣 |
| なかくにのかみ こはまんお ふせくともかみ | 中国の神 拒まんを 防ぐ供神 |
| かくやまは やますみのふこ | カグヤマは ヤマズミの二子 |
| ふとたまは みむすひのみこ | フトタマは ミムスビの三子 |
| こやねとは かすかとののこ | コヤネとは カスガ殿の子 |
| くしたまは みむすひのよこ | クシタマは ミムスビの四子 |
| みちねとは かんみのひまこ | ミチネとは カンミの曽孫 |
| かんたまは やますみのみこ | カンタマは ヤマスミの三子 |
| さわらのは あかつちのまこ | サワラノは アカツチの孫 |
| ぬかととは かかみつこのこ | ヌカドとは カガミツコの子 |
| あけたまは たまつこのこそ | アケタマは タマツコ(玉造)の子ぞ |
| むらくもは みちねかおとと | ムラクモは ミチネが弟 |
| うすめひこ みけもちのまこ | ウスメヒコ ミケモチの孫 |
| かんたちは こもりのはつこ | カンタチは コモリの初子 |
| あめみかけ たたきねのおこ | アメミカゲ タタキネの御子 |
| みやつひこ かなさきのみこ | ミヤツヒコ カナサキの三子 |
| よてひこは こもりのよつこ | ヨテヒコは コモリの四つ子 |
| あめとまみ ぬかたたのおこ | アメトマミ ヌカタダの御子 |
| あませおは かんみのやさこ | アマセオは カンミの玄孫 |
| たまくしは せおのいとこそ | タマクシは セオのいとこぞ |
| ゆつひこは さわらののおと | ユツヒコは サワラノの弟 |
| かんたまは たまくしのおと | カンタマは タマクシの弟 |
| みつきひこ かんたまのおと | ミツキヒコ カンタマの弟 |
| あひみたま たかきのよつこ | アヒミタマ タカギの四つ子 |
| ちはやひは よてのおとゐこ | チハヤヒは ヨテの弟 五子 |
| やさかひこ こもりのやつこ | ヤサカヒコ コモリの八つ子 |
| いさふたま つのこりのこそ | イサフタマ ツノコリの子ぞ |
| いきしにほ おもいかねのこ | イキシニホ オモヒカネの子 |
| いくたまは たかきのゐつこ | イクタマは タカギの五つ子 |
| さのひこね ひこなのこなり | サノヒコネ ヒコナの子なり |
| ことゆひこ はらきねのおこ | コトユヒコ ハラキネの御子 |
| うわはるは やつこころのこ | ウワハルは ヤツココロの子 |
| したはるは うわはるのおと | シタハルは ウワハルの弟 |
| あよみたま たかきのななこ | アヨミタマ タカギの七子 |
| すへみそふ みなのりむまて まもりゆく | 総三十二 皆乗馬で 守り行く |
| みこはやふさの いてくるま | 御子は八房の 斎出車 |
| ふそゐのはとお ゐつともの | 二十五の侍人を 五供の |
| まもるみやつこ あまつまら | 守る上司(みやっこ) アマツマラ |
| かんみのやさこ あかまろは つくはそそのこ | カンミの玄孫 アカマロは ツクバソソの子 |
| あかうらは しほもりのふこ | アカウラは シホモリの二子 |
| まうらとは やますみのゐこ | マウラとは ヤマスミの五子 |
| あかほしは かつてのおとと | アカホシは カツテの弟 |
| このゐたり おおものぬしは | この五人 オオモノヌシは |
| ゐつくみの ものへふそゐお ひきそふて | 五組の モノベ二十五を 率き添ふて |
| ともひとすへて やもむそよ | 供人総て 八百六十四 |
| ひたかみおてて かしまみや | ヒタカミを出て カシマ宮 |
| そのみちたみの いてむかひ | その道民の 出迎ひ |
| たかやしかくと きこしめし | 耕し欠くと 聞し召し |
| いせにはんへる みこのおと | イセに侍る 御子の弟 |
| きよひとにかみ みことのり | キヨヒトに神 御言宣 |
| なれとちからと はやふねに | 「汝とチカラと 速船に |
| ゆきていわふね すすむへし | 行きて斎船 奨むべし」 |
| よりてみまこと たちからを わにふねにのり | よりて御孫と タチカラヲ ワニ船に乗り |
| かんふさの つくもにつきて かとりみや | 上総の ツクモに着きて カトリ宮 |
| かんことのれは ほのあかり | 神言宣れば ホノアカリ |
| まうらおめして うらとえは | マウラを召して 占問えば |
| まうらふとまに あきにとる | マウラ フトマニ アキニ取る |
| こちにひもとけ つみのかる | 東風に冷も解け 弊逃る |
| いまはるなれは にしのそら | 今春なれば 西の空 |
| たみつかれなし よしよしと みことさたまる | 民疲れ無し 好し好しと 御言定まる |
| ににきねと たちからとゆく ひたかみの | ニニキネと タチカラと行く ヒタカミの |
| きみおをかみて よしおつけ | 君を拝みて 由を告げ |
| のちにみまこと たちからと | 後に御孫と タチカラと |
| いさわにかえり かえことす | イサワに帰り 返言す |
| ときにすめみこ いわくすの | 時に皇御子 斎奇(いわくす)の |
| ふねおもふけて まらかおち | 船を設けて マラが叔父 |
| あまつははらお ふなおさに | アマツハハラを 船長に |
| まらはかちとり あかうらお | マラは舵取り アカウラを |
| ふなこつかさに あかまろと | 船子司に アカマロと |
| あかほしものお そえかこに | アカホシモノを 添え水手に |
| まうらはかせみ つくもより | マウラは風見 ツクモより |
| いつのみさきに ほおあけて | 稜威の岬に(伊豆の岬) 帆を上げて |
| おきはしるめは おほそらお | 沖走る見は 大空を |
| はるかにかけり みくまのの | 遥かに駈けり 御隈野の |
| みやゐおかみて なみはより | 宮居拝みて 浪速より |
| かもにていたる いかるかの | カモ(鴨船)にて到る イカルカの |
| みねよりとりの しらにはに | 峰より鳥の 白庭に |
| あまのいわふね おほそらお | 天の斎船 大空を |
| かけりめくりて このさとの | 駈けり回りて この里の |
| なおもそらみつ やまとくに | 名をも "空回つ 大和国" |
| みやつやなりて そふのかみ | 宮つ屋成りて 十二の神 |
| すかたかむすめ みきさきに | スガタが娘 御后に |
| なしてうたよみ かたかきの | なして歌 詠み カダカキの |
| ことおたのしむ いかるかの | 琴を楽しむ イカルカの |
| みやにうつりて そのあすか | 宮に移りて その翌時 |
| うてなによもお のそむおり | 高殿に四方を 望む折 |
| しらにはやまに からすとふ | 白庭山に カラス飛ぶ |
| くまのとおもひ みやうつし | 隈野と思ひ 宮遷し |
| ときにこやねは はやかれと | 時にコヤネは 早かれと |
| おほものぬしも ととめける | オホモノヌシも 止めける |
| ふとたまかいふ | フトタマが言ふ |
| かかなえて きみのおほすお ととめんや | 「考なえて 君の思すを 止めんや」 |
| かくやまもいふ | カグヤマも言ふ |
| くまのなる あすかうつせは | 「隈野成る 翌時移せば |
| よきためし すてにきわまる | 好き例し 既に極まる」 |
| ものぬしは いかりていわく | モノヌシは 怒りて曰く |
| ふとたまは きみのとのおち とみをきな | 「フトタマは 君の執の大人 臣翁 |
| きなふよろとし きみいわひ けふまたかわる | 昨日万歳 君祝ひ 今日また変わる |
| みやうつし よろちはとおし | 宮遷し 万千は遠し |
| ひととせも へさるおせめは | 一年も 経ざるを狭めば (突詰めれば) |
| よのはちは なんちのこころ けかれより | 世の恥は 汝の心 穢れより |
| きみあやからは われおらす | 君肖(あやから)らば 我居らず |
| あかねほのほに つみすとも | 茜炎に 潰みすとも |
| まろかねはめと けかれゑす | 磨金食めど 穢れ得ず」 |
| かくいいかえる もろはかり | かく言い帰る 諸議り |
| ついにうつして あすかかわ | 遂に移して アスカ川 |
| くるわにほりて みそきなすかな | 周に堀りて 禊なすかな |