449―116 北朝鮮問題に関する小泉外交考

この政治スキャンダルを問え れんだいこ 2003/08/22
 2003.8.22日付け読売新聞は、「無断転載禁止」とした上で、「米に核カード堅持要請…政府、対『北』協議に備え」なる記事を公開している。それによると、北朝鮮の核開発問題に関する北京での6か国協議に当り、「日本政府が米政府に対し、核兵器の不使用を確約しないよう求めていた」ことが21日明らかになった、とある。

 ナンタルチアなことだろう、小泉政府の外交は既に狂いぱなし、としか思えない。れんだいこはそう訝るが、今のところこれが問題視されている形跡は無いようだ。読売記事はむしろかような政府の対応に理解のある風な書き方をしている。

 その理由付けがふるっている。日米安保で米国の保護下にある日本としては、米国の北朝鮮への核不使用宣明は米国の手足を縛ることになり得策ではない。むしろ、「日本の安全保障にとって重大な支障が出ると判断している」。

 小泉政府はそもそも、米国のクリントン前政権が為した1994年の米朝枠組み合意に不満がある。それによれば、北朝鮮の非核化が実現した場合の措置として、「米国が、米国による核兵器の威嚇もしくは使用はしないとの公式の保証を北朝鮮に対して与える」との条項が入っているが、これが気に入らない。

 「非核原則」を国是としている日本の政策は、米国の核戦力に依存する形で実現されている、その重石を取り外してくれるな、「核カード」を堅持して欲しい、というのが小泉政府のスタンスらしい。

 複数の日本政府関係者によると、今月13、14両日にワシントンで行われた日本、米国、韓国の3か国局長級協議で、藪中三十二外務省アジア大洋州局長がケリー米国務次官補(アジア・太平洋担当)に対し、核不使用を再び約束しないよう要請した、とある。

 藪中氏は、北朝鮮に対して、〈1〉侵略はしない〈2〉国連憲章が禁じる武力攻撃を行わない――との表現で安全の保証を約束することを提案した。国連憲章は自衛権の行使と国連安全保障理事会決議に基づく武力行使を容認している。「これ以外の武力行使をしないことは、国連加盟国として当然で、そのことを約束しても、支障はない」(政府筋)と判断したためだ、とある。

 全く出来レースの気がするが、これに対し、ケリー氏は「日本の提案に感謝する」と述べ、日本政府の意向を踏まえて6か国協議を進める方針だ、とある。

 世にさかしまという言葉がある。「非核原則」を国是としている日本の政策として米国にも核軍縮を要請するというのなら分かる。それを逆に、国是を守るために日本政府が率先して米国に核の保持と行使を担保するよう要請するなどというのは、これはスキャンダルだろう。

 以上から察するのに、小泉政府が、ブッシュが随喜の涙を流すような役回りをこなしている、つまりチンドン屋を演じていることが判明する。小泉は、一衣帯水の北朝鮮との国交を自力で打開できない。一国の首脳同士が手交した先の共同声明の重みなぞどこ吹く風の趣き加減だ。

 小泉はんはどうやら、米国、ロシア、中国の世話にならねばならぬことを恥ずるのではなく、米国に毅然とした態度を取るようお願いし、その遣り取りを楽しむのがオラのつとめだと合点しているらしい。

 それを思えば、れんだいこには日韓条約の様相が違う風に見えて来た。あれは日本政府と韓国政府が米国を上手にあやしながら成し遂げた偉業であった、のではないのか。なるほど同じ米国陣営だからというお目こぼしもあったのであろうが、米国にとって日韓の緊密化は危惧することもあったろうに。

 歴史は目くるめく。今や、当時の偉業精神を持ち合わせる者は居ない。誰よりもどこまでもブッシュ一途の競い合いに胸を張る被新植民地主義競争するしか能が無い手合いばかりになったようだ。これが戦後タカ派の正体だとするとえらいこっちゃな。




(私論.私見)