| 縄文時代の日本宗教 |
更新日/2024(平成31.5.1栄和改元/栄和6)年.2.16日
| (れんだいこのショートメッセージ) |
| ここで、「日本の宗教史大全」をものしておくことにする。 |
Ⅰ 日本宗教の基層 縄文時代
日本列島に人間が生活するようになったのは二万年以上も昔であったと推察されます。その時期にも人間は道具として石器を使っていました(旧石器時代)。この時代にも宗教的な観念と営みはあったでしょうが、それを推察する手がかりはありません。ところが、紀元前八千年頃から(この時期には異論もあります)狩猟漁労採取経済段階の文化が起こり、人間は土器を製作して生活に用いるようになります。その土器の縄の紋様から、この採取経済段階の時代は縄文時代と呼ばれ、発掘された土器や住居跡からその時代の宗教が推察されることになります。
人間の宗教性は最初に死者の埋葬に見られます。墳墓は集落跡の近くにあり、大抵は屈葬で、土に埋めた土葬、甕に入れた甕棺墓、石で囲った墓がありました。玉や護符のような副葬品も発掘されており、死霊に対する恐れが見られます。縄文中期以降には、大きな石を並べた配石遺構(環状列石など)も見られ、何らかの祭儀に用いられたと推察されます。縄文時代には初期から、女性の乳房や腰を強調した多くの土偶があり、生殖力に対する信仰があったことがうかがわれます。土偶の怪奇な形は神秘的な力をあらわしており、わざと壊したのは人間の身代わりにする呪術が行われていたことを示しているようです。
このように日本列島におけるこの時代の宗教には、すべてのものにアニマ(霊)が宿っているとして、それを崇拝する宗教性(アニミズム)、あるものに人間の力を超えた神秘的な力が宿っているとする信仰(マナイズム)、自然崇拝、死霊崇拝などの宗教観念があったことは、世界の諸民族の原始宗教に広く見られるところと同じです(アニミズム、マナイズム、シャマニズム、呪術などの原始宗教については、拙著『福音と宗教Ⅰ』の二二頁以下の「宗教の原初形態」の項を参照してください)。
(私論.私見)