み神楽歌に、
| 九ツ ここはこの世の でんじなら わしもしっかり たねをまこ |
「種市夫婦」の逸話。
摂津国安立村に「種市」という屋号で花の種を売って歩く前田藤助、タツという夫婦があった。二人の間には次々と子供ができた。もう、これぐらいで結構と思っていると、慶応元年、また子供が生まれることになった。それで、タツは、大和の国に、願うと子供をおろして下さる神様があると聞いて大和へ来た。しかし、そこへは行かず、不思議なお導きで庄屋敷村へ帰り、教祖にお目通りさせて頂いた。
すると、教祖は、「あんたは種市さんや。あんたは種を蒔くのやで」と仰せになった。タツは、「種を蒔くとは、どうするのですか」と尋ねた。すると、教祖は、「種を蒔くというのは、あちこち歩いて、天理王の話をして廻るのやで」とお教えになった。更に、お腹の子供について、「子供はおろしてはならんで。今年生まれる子は男や。あんたの家の後取りや」と仰せられた。このお言葉が胸にこたえて、タツは、子供をおろすことは思いとどまった。のみならず、夫の藤助にも話をして、それからは夫婦ともおぢばにへ帰り、教祖から度々お仕込み頂いた。子供は、その年6月18日安産させて頂き、藤次郎と名付けた。こうして、二人は、花の種を売りながら、天理王命の神名を人々の胸に伝えて廻った。そして、病人があると、二人のうち一人がおぢばへ帰ってお願いした。すると、どんな病人でも次々と救かった。 |
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