| 【第一章 著作者の権利】 |
第一条 〔著作権の内容〕
文書演述図画建築彫刻模型写真演奏歌唱其の他文芸学術若は美術(音楽を含む以下之に同じ)の範囲に属する著作物の著作者は其の著作物を複製するの権利を専有す。文芸学術の著作物の著作権は翻訳権を包含し各種の脚本及楽譜の著作権は興行権を包含す |
第二条 〔譲
渡〕
著作権は其の全部又は一部を譲渡することを得。 |
第三条 〔保護期間-生前公表著作物〕
発行又は興行したる著作物の著作権は著作者の生存間及其の死後三十年間継続す。数人の合著作に係る著作物の著作権は最終に死亡したる者の死後三十年間継続す。 |
第四条 〔同前-死後公表著作物〕
著作者の死後発行又は興行したる著作物の著作権は発行又は興行のときより三十年間継続す。 |
第五条 〔同前-無名・変名著作物〕
無名又は変名著作物の著作権は発行又は興行のときより三十年間継続す但し其の期間内に著作者其の実名の登録を受けたるときは第三条の規定に従う。 |
第六条 〔同前-団体著作物〕
官公衙学校社寺協会会社其の他団体に於て著作の名義を以て発行又は興行したる著作物の著作権は発行又は興行のときより三十年間継続す。 |
第七条 〔同前-翻訳権〕
著作権者原著作物発行のときより十年内に其の翻訳物を発行せざるときは其の翻訳権は消滅す。前項の期間内に著作権者其の保護を受けんとする国語の翻訳物を発行したるときは其の国語の翻訳権は消滅せず。 |
第八条 〔同前-継続的刊行物〕
冊号を逐い順次に発行する著作物に関しては前四条の期間は毎冊若は毎号発行のときより起算す。一部分ずつを漸次に発行し全部完成する著作物に関しては前四条の期間は最終部分の発行のときより起算す但し三年を経過し仍継続の部分を発行せざるときは既に発行したる部分を以て最終のものと看做す。 |
第九条 〔期間の計算〕
前六条の場合に於て著作権の期間を計算するには著作者死亡の年又は著作物を発行又は興行したる年の翌年より起算す。 |
第十条 〔相続人の不存在〕
相続人なき場合に於て著作権は消滅す。 |
第十一条 〔著作権の目的とならない著作物〕
左に記載したるものは著作権の目的物と為ることを得ず
一 法律命令及官公文書 二 新聞紙又は雑誌に掲載したる雑報及時事を報道する記事 三 公開せる裁判所、議会並政談集会に於て為したる演述
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第十二条 〔無名・変名著作物の権利保全〕
無名又は変名著作物の発行者又は興行者は著作権者に属する権利を保全することを得但し著作者其の実名の登録を受けたるときは此の限に在らず。 |
第十三条 〔共同著作物〕
数人の合著作に係る著作物の著作権は各著作者の共有に属す。各著作者の分担したる部分明瞭ならざる場合に於て著作者中に其の発行又は興行を拒む者あるときは他の著作者は其の者に賠償して其の持分を取得することを得但し反対の契約あるときは此の限に在らず。各著作者の分担したる部分明瞭なる場合に於て著作者中に其の発行又は興行を拒む者あるときは他の著作者は自己の部分を分離し単独の著作物として発行又は興行することを得但し反対の契約あるときは此の限に在らず
。本条第二項の場合に於ては発行又は興行を拒みたる著作者の意に反して其の氏名を其の著作物に掲ぐることを得ず |
第十四条 〔編集著作物〕
数多の著作物を適法に編輯したる者は著作者と看做し其の編輯物全部に付てのみ著作権を有す但し各部の著作権は其の著作者に属す。
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第十五条 〔登
録〕
著作権の相続譲渡及質入は其の登録を受くるに非ざれば之を以て第三者に対抗することを得ず。無名又は変名著作物の著作者は現に其の著作権を有すると否とに拘らず其の実名の登録を受くることを得。著作者は現に著作権を有すると否とに拘らず其の著作物の著作年月日の登録を受くることを得。著作権者其の著作物を始めて発行したるときは著作権者又は著作物の発行者は一年内に限り第一発行年月日の登録を受くることを得。 |
第十六条 〔登録庁〕
登録は行政庁之を行う。登録に関する規定は命令を以て之を定む。 |
第十七条 〔差押禁止物〕
未だ発行又は興行せざる著作物の原本及其の著作権は債権者の為に差押を受くることなし但し著作権者に於て承諾を為したるときは此の限に在らず。
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第十八条 〔著作者人格権〕
他人の著作物を発行又は興行する場合に於ては著作者の生存中は著作者が現に其の著作権を有すると否とに拘らず其の同意なくして著作者の氏名称号を変更若は隠匿し又は其の著作物に改竄其の他の変更を加え若は其の題号を改むることを得ず。他人の著作物を発行又は興行する場合に於ては著作者の死後は著作権の消滅したる後と雖も其の著作物に改竄其の他の変更を加えて著作者の意を害し又は其の題号を改め若は著作者の氏名称号を変更若は隠匿することを得ず。前二項の規定は第二十条、第二十条の二、第二十二条の五第二項、第二十七条第一項第二項、第三十条第一項第二号乃至第九号の場合に於ても之を適用す。
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第十九条 〔改作物〕
原著作物に訓点、傍訓、句読、批評、註解、附録、図画を加え又は其の他の修正増減を為し若は翻案したるが為新に著作権を生ずることなし。但し新著作物と看做さるべきものは此の限に在らず。 |
第二十条 〔時事問題を論議した記事〕
新聞紙又は雑誌に掲載したる政治上の時事問題を論議したる記事(学術上の著作物を除く)は特に転載を禁ずる旨の明記なきときは其の出所を明示して之を他の新聞紙又は雑誌に転載することを得。 |
第二十条の二 〔時事問題の公開演述〕
時事問題に付ての公開演述は著作者の氏名、演述の時及場所を明示して之を新聞紙又は雑誌に掲載することを得但し同一著作者の演述を蒐輯する場合は其の著作者の許諾を受くることを要す。 |
第二十一条 〔翻訳物〕
翻訳者は著作者と看做し本法の保護を享有す但し原著作者の権利は之が為に妨げらるることなし。 |
第二十二条 〔美術著作物の異種複製〕
原著作物と異りたる技術に依り適法に美術上の著作物を複製したる者は著作者と看做し本法の保護を享有す。 |
第二十二条の二 〔著作権の内容-映画化権等〕
文芸、学術又は美術の範囲に属する著作物の著作権は其の著作物を活動写真術又は之と類似の方法に依り複製(脚色して映画と為す場合を含む)し及興行するの権利を包含す。
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第二十二条の三 〔映画の著作権〕
活動写真術又は之と類似の方法に依り製作したる著作物の著作者は文芸、学術又は美術の範囲に属する著作物の著作者として本法の保護を享有す其の保護の期間に付ては独創性を有するものに在りては第三条乃至第六条及第九条の規定を適用し之を欠くものに在りては第二十三条の規定を適用す。 |
第二十二条の四 〔同
前〕
他人の著作物を活動写真術又は之と類似の方法に依り複製(脚色して映画と為す場合を含む)したる者は著作者と看做し本法の保護を享有す但し原著作者の権利は之が為に妨げらるることなし。 |
第二十二条の五 〔著作権の内容-放送権〕
文芸、学術又は美術の範囲に属する著作物の著作権は其の著作物の無線電話に依る放送を許諾するの権利を包含す。放送事業者は既に発行又は興行したる他人の著作物を放送せんとするときは著作権者と協議を為すことを要す協議調わざるときは命令の定むる所に依り文化庁長官の定むる相当の償金を支払い其の著作物を放送することを得。前項の償金の額に付異議ある者は訴を以て其の増減を請求することを得。前項の訴に於ては著作権者又は放送事業者を以て被告とす。 |
第二十二条の六 〔同前-録音権〕
文芸、学術又は美術の範囲に属する著作物の著作権は其の著作物を音を機械的に複製するの用に供する機器に写調し及其の機器に依り興行するの権利を包含す。 |
第二十二条の七 〔録音物の著作権〕
音を機械的に複製するの用に供する機器に他人の著作物を適法に写調したる者は著作者と看做し其の機器に付てのみ著作権を有す。 |
第二十三条 〔保護期間-写真著作物〕
写真著作権は十年間継続す 前項の期間は其の著作物を始めて発行したる年の翌年より起算す若し発行せざるときは種板を製作したる年の翌年より起算す 写真術に依り適法に美術上の著作物を複製したる者は原著作物の著作権と同一の期間内本法の保護を享有す但し当事者間に契約あるときは其の契約の制限に従う。 |
| 第二十四条 〔同
前〕 文芸学術の著作物中に挿入したる写真にして特に其の著作物の為に著作し又は著作せしめたるものなるときは其の著作権は文芸学術の著作物の著作者に属し其の著作権と同一の期間内継続す。 |
| 第二十五条 〔嘱託による写真肖像〕 他人の嘱托に依り著作したる写真肖像の著作権は其の嘱托者に属す。 |
| 第二十六条 〔写真類似の著作物〕 写真に関する規定は写真術と類似の方法に依り製作したる著作物に準用す。 |
| 第二十七条 〔法定許諾〕 著作権者の不明なる著作物にして未だ発行又は興行せざるものは命令の定むる所に依り之を発行又は興行することを得。著作権者の居所不明なる場合其の他命令の定むる事由に因り著作権者と協議すること能わざるときは命令の定むる所に依り文化庁長官の定むる相当の償金を供託して其の著作物を発行又は興行することを得。前項の償金の額に付異議ある者は訴を以て其の増減を請求することを得。前項の訴に於ては著作権者又は著作物を発行若は興行する者を以て被告とす。 |
第二十八条 〔外国人の著作権〕
外国人の著作権に付ては条約に別段の規定あるものを除く外本法の規定を適用す但し著作権保護に関し条約に規定なき場合には帝国に於て始めて其の著作物を発行したる者に限り本法の保護を享有す。 |